致死性家族性不眠症とは

致死性家族性不眠症」は不眠症の中でも最も恐ろしく
不眠が続き、最期には死に至るという、致死率100%の病気です。

 

発症すると全く眠ることができなくなり、
しだいに体力も気力も無くなって死んでしまうという奇病です。

 

致死性家族性不眠症は遺伝性の難病で、
遺伝的な因子を持つ人が発症します。
特定の一族に遺伝する性質があり、昔は「呪い」と呼ばれていました。

 

世界では27家系、
日本ではほんの数家系の患者がいると報告されています。

 

世界の中ではスペインでの報告が多いと言います。

 

致死性家族性不眠症は30代から60代で発症し、
平均年齢は51歳です。

発症から約2年で死亡

若い頃は問題なく眠れていても発症すると全く眠れなくなります。

 

初期症状は昼寝ができない、
夜に眠れないなど、普通の不眠と同じようなものですが、
無気力になったり、これまで興味があったものにも関心がなくなるなど、
性格にも変化が表れます。

 

交感神経が高まりすぎるため、
汗や涙が増える、呼吸が荒くなる、高血圧などの症状も出てきます。

 

そして、眠ろうとしてもまったく眠ることができなくなり、
次第に体力が衰え、歩くことも話すこともできなくなるのです。

 

発症から1年以内に高度な意識障害に陥り、
呼吸不全になるとされています。
そして発症から2年で死亡する例が多いです。

 

難病に指定されており、
公費負担で治療できますが、栄養の補給などの対処しかできず、
完全に治す方法は現在では見つかっていません。

原因は悪性のプリオン

なぜこのような恐ろしい病気にかかってしまうのでしょう。
患者が亡くなった後、
その脳を解剖した結果、あることがわかりました。

 

通常、多数あるはずの睡眠に関係する細胞が1つしかない状態
になっていたのです。

 

そして、その神経細胞を壊したのは
「プリオン」という悪性の蛋白質であることが分りました。

 

プリオン蛋白質は狂牛病の原因としても有名なもので、
脳組織を破壊します。

 

致死性家族性不眠症では、
プリオンが脳内で睡眠を司る視床下部という場所を破壊し、
全く眠れない状態にしていたのです。

 

致死性家族性不眠症の正式名称は「プリオン病」と言います。

 

プリオン病はプリオンたんぱくの増加によって起こる
中枢神経疾患の総称で、
致死性家族性不眠症もそのうちのひとつの疾患です。

 

プリオン病は動物にも人にも見られ、
人に見られるものとして代表的なのがヤコブ病、動物では狂牛病や、
羊に見られる神経疾患のスクレイピーなどがあります。

 

プリオン病の病原体であるプリオン蛋白質には
正常性のものと異常性のものがあり、
正常性のものは誰でも持っていて、
異常性のものだけが病原となると言われています。

 

ですが、どのように異常なプリオン蛋白質が作られているのか
などはまだ分っていません。

 

不眠症の人でも、
眠っていない状態が続くと自然に眠くなるものですが、
致死性家族性不眠症の患者は
それも許されない苦しい状況にさらされてしまい、死に至ります。

 

眠るということが、生命を維持していくのに
どれだけ重要なことなのか分りますね。

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